第15号
 


神が人に、この世に生まれしときに与えしもののうち、人にとりて最も重要なるものは、即ちことばなり。
ことばなければ、人は動物と変わらず。草木と変わらず。ただ己れの生を生くるためにのみ、日々の生を送り、生を終えるのみなり。
なれば、人はことばをもちて、人たることを得、人たる行いを行える。
ことばによりて、人は互いの協力を可とし、ことばによりて、人は、互いの理解を深め、かつ隣人との絆を強めもし、固き友情、愛情に結ばれて、この世を平和で豊かな神の国とすることも可なりし。
なれば、人は、神からの大切な、み恵みであることばを、よきことに用い、互いの繁栄、互いの共存を図るべきなるを、己れの欲得の拡大、己れの自己中心的願望の満足、己れの自己愛の充足のためにのみ、ことばを使い始むるをもちて、神は人から、ことばを取り上げ、おのおの別のことばを与え、国なるものを作らせし。
それぞれの国を作らせしその意味は、人が、己れの属する国、民族、人種を越えて、より高き信念を持ちて、互いが協力を強める努力をさせんがためなり。一つの行なり。

行というは、個人に与えらるるものあり。また、個人の属する人種、民族、国家に課せらるるものあり。
なれば、人は、個としての行と、一つの国に生まれしその国の国民、人種、民族として課せられし行と、二つの種類の行を 本来行じる要あり。
日本国国民ならば、日本人としての行あり。イギリス国国民ならば、イギリス人としての行あり。
いずれの国に生まれ、育ちても、行は平等に課せられ、世界の平和、世界の繁栄、さらには宇宙の平和と、宇宙の規模での繁栄に貢献するが、望ましき行なり。

神は、宇宙全体を統一されし、偉大な力を持たれしも、自らの力を用いて、宇宙を統合するのご意図は、持たれぬなり。なぜというに、神にとりて易きことなればなり。人が、困難を乗り越え、人の全てが協力してこそ、価値あることなればなり。
今、世界を狂わせ、秩序を乱し、平和を壊せしその素を、人の力、努力によりて、一つ一つ取り除き、神の国を実現させるが本物なり。
神は、人に、ことばを授け、そを、人が、己れの我のためにのみ使い、その結果として、この世を汚し、乱し、曇らせしように、人は、与えられし神のみ恵みを、ことごとく過ちて使い、過ちて用い、そがために、神は行を課され、人に、反省と改悛の機会を与えんとされし。
人が、個々の枠に留まり、個々の発展、魂の浄化、魂の精進昇華を望むうちは、真の魂の行とはならぬ。己れのみでなく、他に、外に、遠くよそなる国に、目を向けて、始めて、神の御心に適う魂の行となりうるなり。

日本は神の国なり。
元の始めに神により創られ、神により降ろされし、元の初めの国であり、国民であり、そのことばにはま言霊が宿る、尊いことばを使う国民なり。
なれば、日本国はさらに努力し、言霊を拡げ、よそなる国に言霊を広め、よそなる国に、文字を広め、世界の人々を救いゆく手伝いをすべき国民なり。
なれど、哀しきことは、元神の国たる日本国は、今、世界のうちでも有数の、ことばの乱れる国となりぬる。神のことばに最も近き、神秘の言霊宿れることばを、おのが勝手な私利私欲、おのが唯一の我利我執、それらのための道具とおとしめぬる。
神は、さなる事態を嘆かれぬるを、日本の人民、国民は、何と感じ、何と考え、何と償うか。
人一人にては、ことばは乱れぬ。
人の心、人の魂、人の願いのうちにはびこり、染み込み、広がりし、我という概念、そが素なり。
日本国国民たるものは、本来、我を持たぬ国民なりし。
一人が全体、一人が完全な全き姿の一部としてあり、おのが我利、我欲、我執を通さんとすることは少なき民なるを、文明が変わり、ことばが変じ、西洋思想を受け入れ、そをもちて、ことばは乱れ、人の心も卑しく低き低みに落ちし。
ことば変わらば、心も変わる。その逆もまた真なり。
心とことば、車の両輪。相伴って、互いを乱し、汚し、おとしめるに至るなり。
なれば、今、日本の中で、古来の美しきことばをよみがえ蘇らせ、文字を復活させ、言霊の再生を、早急に勧めることが急務なり。

そなたに伝えることありというは、一つは、そなたやそなたの周りにおられる方々と共に、先ずはことばの乱れを正し、人にも注意を促す努力をせんということなり。
今そなたに伝えることの多くは、そなたの周りにおられる方々も、よくご存知なることなれば、そなたも行うに難きことなからん。
早急に、ことばの乱れ、正してゆけよ。悪しきことば使うなかれよ。言霊一つも大事にされよ。
日本のことのは、かくも美しく、かくも深く尊い神秘に満ちしことのはなり。
「いろは」に込められし、ことばの奥義、いまだその神秘は解き明かされぬ。
神のことばをもちて創らるれば、神のことばが、再びこの世に戻るときまで、その神秘は明かされぬ。

神、人、かつて同じことば用い、同じ文字を用いて、互いの意思を、心を、通わせし。
今、神のことばを解する者無し。神のことばは言霊のみ。言霊なるは、音にあり。音の一つ一つに波動あり。さなる波動に力あり。力は、人をもちて、浄むるの力あり。
なれば、浄めの言霊大事にせねば、この世に悪しき力も働かんを。
とくと心せられよ。本日そなたに伝えしこと、帰りてからも、よくよく読まれよ。神の子たるための、心構えと受け止められよ。
そして、そなた一人の霊行になく、神の子としての霊行であり、宇宙の中に存する一つの、生命としての霊行なることを忘るなよ。
そなた一人の行は、既に終わるべきの時なり。
今よりは、神の子として個を超えし行を積むべきの時なるを、しかと心得、行に励めよ。
本日の行はこれにて終わらん。
明日もまた、神(紙)に向かい、神のことばの理解に努めよ。
さらなる努力、さらなる忍耐、さらなる感謝を。