就任のご挨拶

宮司代務者 富岡長子

 

 はじめに先般起こりました東日本大震災で犠牲になった方々に哀悼の誠を捧げますと共に被災された皆様にお見舞い申し上げます。一日も早い復旧と皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。東北、北関東復興のため、当宮と致しましても出来る限りの御協力をさせて頂く所存でございます。
 さてこの度、父富岡興永宮司の退任に伴い、神社本庁より昨年12月10日付にて宮司代務者を拝命致し、甚だ身の引き締まる思いでございます。
 父富岡興永は昨年10月より体調を崩し、本人の強い意志で退任することになりました。幸い病状は回復に向かい本年1月25日付にて神社本庁より名誉宮司の称号を授与して頂くことが出来ました。
 図らずもお正月を目前にこのような重責を担うことになり不安はございましたが、人生の先達とも申すべき宮総代各位のお導きとご協力のもと経験豊富な職員に支えられ、又、氏子・崇敬者の皆様の温かいご声援を頂き、無事に乗り切れました事、心より御礼申し上げます。
 ところで、本来なら今年は「深川水かけ祭り」と世に謳われる三年に一度の本祭りの年でございますが、先般の東日本大震災による激甚なる被害と社会的混乱、電力事情等、諸般の事情に鑑み、神幸祭、神輿連合渡御は来年に延期と致し、8月14日の崇敬会参拝、8月15日の例祭のみ執り行うことになりました。
 日本は美しい自然に恵まれた国でございますが、自然災害に見舞われ続けてきた歴史を持つ国でもございます。しかし日本人はその自然に逆らうことなく、それを乗り越え自然と共存しつつ繁栄を遂げてきた民族でもございます。予期出来ぬ時代を迎えた感はございますが、日本人は必ずこの度の災害も乗り越え、経験、知識、知恵の蓄えとして民族の発展に繋いで行けるものと信じております。
 浅学菲才の身ではございますが、誠心誠意神明に御奉仕申し上げ、御神徳の宣揚に勤め日本の復興のため微力を尽して参りたいと思います。
 今後とも氏子、崇敬者、御関係者の皆様方の御指導御鞭撻を賜りますようお願い申し上げ、就任の挨拶とさせて頂きます。