富岡の舞

 『富岡の舞』は昭和31年に富岡八幡宮の戦後御復興を奉祝して作られた神前神楽舞で、当時の富岡盛彦宮司が謹作した
「富ヶ岡 宮居高くも 仰ぐかな 朝夕べに 神のみいつを」
との和歌に、元宮内省楽長多忠朝氏が作曲作舞したものです。
 白の紋紗に松の模様を形置きした裾を長く引く舞衣を着け、鈴と五色の絹を付けた榊を執り物とした四人立ちの巫女舞です。
 曲の前半は典雅に、途中から四辺を巡りながら各々が神を拝しつつのびやかに舞われます。
 多忠朝氏は浦安の舞の作者として知られますが、富岡の舞はその最晩年の作となりました。