葵岡(あおいがおか)(葛飾北斎派 魚屋北渓(とどやほっけい))画

手古舞芸者の図

 奉納 永代 濱田嘉一 様
 

  葛飾北斎の門人、魚屋北渓(とどやほっけい)(葵岡(あおいがおか)・安永9年1780〜嘉永3年1850)による内筆画です。祭礼時に山車(だし)の先導と警固を担った手古舞(てこまい)を題材とした作品で、夜空の北斗七星と満月は(次頁参照)、この絵がかつては十五夜(満月の夜・旧暦8月15日)に行われていた富岡八幡宮の祭礼を描いていることを示しています。したがってこの手古舞に扮した女性は深川の辰巳芸者(たつみげいしゃ)と思われ、その装いは黒の上衣の片肌を脱いで赤の襦袢(じゅばん)を見せ、たっつけ袴をはいて金棒を引いています。この辰巳芸者の手古舞は現在でも富岡八幡の手古舞保存会によって継承され、祭礼に華を添えています。