二の宮渡御に参加して
崇敬会名誉会員
越中島神輿総代
鈴木 邦夫
 今回で2度目の二の宮神幸祭参加である。 1度目は崇敬会名誉会員として裃、袴姿で神幸に参加、今度は神輿総代としての参加と立場は異なるが緊張感に変りはない。更に今回は四部総代会の威信にかけて無事に渡御させねばならず、神輿総代としての責任感も当然湧いてくる。何ヶ月も前からの準備もこの日の為、放り出す訳にもいかず忙しい日々を送ってきた。これも若い時から神輿を担ぐことが好きだから仕方がないことと思う。待ちに待った二の宮神幸の朝は生憎の雨だが、予定通りお宮に集合し、寒さを感じながら神事に参列する。いよいよ宮出しだ。体が燃えてくる。無事1日を終える事を祈る。
 宮出し後、最初の部会は我が四部会、担ぎ手は皆燃えている。大勢の見物人と一緒に熱気は最高潮、まさにこれが深川の意気と思う。本当に深川は良いところだ。そして神輿は無事五部会に渡る。あっという間に終わってしまった感じだ。
 夕方雨も上がり再び神輿総代が集合して宮入りに備える。宮出しと違い責任感から解放され担ぐことだけに集中する。先頭を担ぎたいのだが最近は肩が届かず3番目位で担ぐことにする。神輿が動き出すともう身も心も神輿に入り込んでしまい、頭が真っ白で何も考えられない。知り合いが手を振っているようだが、半分くらい解らなくなっている。次の日に足や肩が痛くなる事も解っているのだが夢中になってしまう。これが神輿を担ぐ魅力なのだと担ぐ度思う。きっと何歳になってもこの気持ちは続くのだろう。
 そして八幡様のお祭りが終わると夏も終わりに近づく。来年もまた元気で祭りに参加出来るよう体を鍛えておきたい。そして良き祭り友達とまた担ぐことを楽しみにし、二の宮神幸渡御の幕引きとしたい。
 
二の宮神輿を担いで
石川 登喜子
 私が初めて神輿を担いだのは18歳のときです。それまでは手古舞として祭りに参加していましたが、私のまわりに父を始め神輿好きな人がたくさんいて、神輿を担いでいる楽しそうな様子を見て担ぎたいと思うようになりました。
 そして実際担いでみるととても楽しく、今では深川だけでなく岩手県にまで毎年担ぎに行くほど大好きになってしまいました。二の宮神輿を初めて見たのは3年前です。大きいとは聞いていましたが、実際目の前にしてみたら想像を絶する大きさで驚いてしまい、せっかく参加したのに担ぐことなく終わってしまいました。
 そんな残念な思いをしているので、今回のお祭りでは「積極的に担ごう」と目標を持って参加しました。
 担ぐと言っても私は背が低いので、いつも担ぎ棒に手が届かず棒に手をまわしてぶらさがっているといった状態です。ですから、肩が痛いとか重いと感じたことはありません。そのかわり担ぎ棒に頭がゴツゴツあたるのでこぶが出来たり、 一生懸命背伸びをするので足がつったりしています。
 しかし今回は今までと違いました。しっかり肩が入りずっしりとした神輿の重さを感じることができ、初めて肩が痛いという感覚を体験しました。辛かったけれど感動と嬉しさが大きく、無我夢中で「わっしょい、わっしょい」と大声を張り上げて担ぎました。
 今回も二の宮神輿を見たときは、その大きさと担ぎ手の熱気におじけづいたのですが、目標通り勇気を出して担ぐことができました。そして今まで味わったことのない感覚、感動を体験でき、ますます神輿が大好きになりました。これからもこの感動を味わうために担ぎ続けていきたいと思います。
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