兼務社紹介@ 黒船稲荷神社 |
江東区牡丹に鎮座する黒船稲荷神社は、国常立命・熊野早武命・倉稲魂命・大己貴命・八幡皇大神をお祀りしています。御創建は応徳3年(1086)と天慶3年(940)の2説あり、現在の浅革に造営されました。 天慶3年説では俵藤太とも呼ばれる武将藤原秀郷による創建としています。秀郷は夢に宝を満載した黒船を見ました。船には神人が白狐を従えており、秀郷に「我は倉稲魂命なり。汝の分領入間川(隅田川)の浜の石上に白狐がいる所こそ我が有縁の地なり」と告げたので、早速川岸を見回すと石上に白狐がいました。そこで岡の上に石を御神体として一社を造営し、黒船稲荷大明神としたといいます。 また、黒船の名称の由来には、この付近にオランダ船が停泊したとする説、三浦按針ことウィリアム・アダムスが黒船を係留していたとする説など様々です。 |
享保17年(1732)、浅革に火災があり、黒船町一帯も類焼、社地も焼失しました。この火事の代地として現在の牡丹町の地を与えられたために、町とともに神社も移転してきたのです。 江戸時代後期の文化・文政時代、黒船町には『東海道四谷怪談』の作者として有名な四世鶴屋南北が住んでおり、その終焉の地としても知られます。又、江戸時代には牡丹の花を栽培していたという牡丹町の名にふさわしく、この地区自慢の親水公園には見事な牡丹が花を咲かせます。 例祭日は8月15日。その他に1月・5月・9月15日にも祭典が執り行われています。 御本社からさして離れた場所でもありません。歴史散策や季節の花を訪ねて、足を伸ばしてみてはいかがでしょう。 |