神代 昔の御守ってどんなふうだったんでしょう?
佐藤 ずっと昔は特別な石や木のかけらなどを大切に持っていたそうだよ。やがて仏教や道教といった外来の宗教の影響を受け、神聖な文字を書きつけた紙……神社では神様のお名前などを記した紙を、きれいな布袋に入れるようになったんだ。
神代 今の御守の原型ですね。
佐藤 うん。他にも背守りといって、子供の着物の背に御守を縫い付ける習慣もあったそうだよ。
神代 色んな御守があったんですね。
佐藤 ただね、時代は流れても形は変化しても、御守に託された思いは変わらないと思うんだ。木のかけらも、背守りも、いまランドセルに下げられている御守も、根本は同じだよね。
神代 神様はずっと昔から、私たちのそばで護ってくださっているんですね。
佐藤 そんな御守だからこそ、最後まで大切に扱ってほしい。一年経った御守はもちろん、うっかり引き出しの奥にしまったままの御守があれば、感謝の気持ちを込めて神社に納めていただきたいな。
神代 お焚(た)き上(あ)げですね。富岡八幡宮では一年中お預かりしていますものね。
佐藤 旅先などで受けたものでも、護ってくださる神様への感謝は忘れないでほしいな。
神代 私もこれまで以上に心を込めて、御守をお渡ししなきゃ。それでは、授与所に行ってまいります!
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