神代巫女のただ今神道勉強中! D

 
新米巫女の神代(かみしろ)巫女にとって、神社の世界はまだまだわからないことだらけ。神職(しんしょく)の佐藤さんの手助けで日々勉強中です!
 
神代 佐藤さん、御守(おまもり)のことで質問があるんです!
佐藤 どうしたの?
神代 この間、御神札(ごしんさつ)はお正月に合わせて新しいものに取り替えるって教えてくれましたよね? 御守はどうなんでしょう?
佐藤 うん、御守も一年に一度新しくしていただくのが基本かな。御神札のときに話したように、神様も人間と同じように真新しくきれいなものを好まれるからね。御神札も御守も、一年経てば汚れてきてしまうよね?
神代 御守は普段から持ち歩きますし、特に傷みやすいですよね。
佐藤 そうだね、御守は元来、常に身に付けることで神様にお護りいただくものだからね。
神代 御守って、御神札より、もっと身近ですよね。子供の頃はランドセルに付けたりして。私、小さい頃から初詣の時に新しい御守をいただくのが嬉しかったな。
佐藤 神代さんはどんな御守を持っていたの?
神代 小学生の頃は交通安全の御守が多かったなぁ。受験の時は合格祈願の御守も受けました。
佐藤 今はいろいろなお願いごとの御守があるよね。でも、もともとはもっとシンプルな心身の守護を願うものだったんだよ。

神代 昔の御守ってどんなふうだったんでしょう? 
佐藤 ずっと昔は特別な石や木のかけらなどを大切に持っていたそうだよ。やがて仏教や道教といった外来の宗教の影響を受け、神聖な文字を書きつけた紙……神社では神様のお名前などを記した紙を、きれいな布袋に入れるようになったんだ。
神代 今の御守の原型ですね。
佐藤 うん。他にも背守りといって、子供の着物の背に御守を縫い付ける習慣もあったそうだよ。
神代 色んな御守があったんですね。
佐藤 ただね、時代は流れても形は変化しても、御守に託された思いは変わらないと思うんだ。木のかけらも、背守りも、いまランドセルに下げられている御守も、根本は同じだよね。
神代 神様はずっと昔から、私たちのそばで護ってくださっているんですね。
佐藤 そんな御守だからこそ、最後まで大切に扱ってほしい。一年経った御守はもちろん、うっかり引き出しの奥にしまったままの御守があれば、感謝の気持ちを込めて神社に納めていただきたいな。
神代 お焚(た)き上(あ)げですね。富岡八幡宮では一年中お預かりしていますものね。
佐藤 旅先などで受けたものでも、護ってくださる神様への感謝は忘れないでほしいな。
神代 私もこれまで以上に心を込めて、御守をお渡ししなきゃ。それでは、授与所に行ってまいります!