新米巫女の神代(かみしろ)巫女にとって、神社の世界はまだまだわからないことだらけ。神職(しんしょく)の佐藤さんの手助けで日々勉強中です!
|
|
神代 あっ、佐藤さん、神饌(しんせん)作りの最中ですか?
佐藤 そうだよ。神様に召し上がっていただくものだからね、心を込めて用意しないとね。
神代 神様へのお供え物を神社では神饌っていいますけど、つまりお食事のことなんですよね。
佐藤 うん、神様は僕らと同じようにご飯も召し上がるし、その味覚も楽しまれるんだよ。
神代 神様の好物って何なんでしょう?
佐藤 どんな食べ物もお好きだと思うけど、神饌に絶対欠かせないのはお米だね。たった一粒から数千の米粒が生まれ、その上美味しくて保存もきくお米は、最も尊い食べ物として神様に捧げられてきたんだ。
神代 稲作にまつわるお祭りもたくさんありますよね。
佐藤 それと、お米から作られる日本酒も大切だね。
神代 神社では日本酒が大活躍しますよね! 神様って、本当にお酒好きなんですねぇ。
佐藤 あはは、まぁ今は簡単に手に入るけど、かつてはとても貴重だったんだよ。
神代 あとは野菜や果物もお供えされていますよね。
佐藤 それから、魚類や海藻だね。海の幸山の幸を味わっていただくわけだね。 |
|
神代 そういえばお肉はお供えしないんですか?
佐藤 主流ではないけれど、鶏肉や鹿肉などをお供えする神社もあるよ。
神代 人間と同じで、神様もいろんなものを召し上がるんですね。
佐藤 そうそう、忘れてはいけないのが、お塩とお水だね。人が生きていくうえで欠かせないこの二つには特別な力があるとされて、特に重要視されているんだよ。
神代 お塩も昔は貴重で、高価だったんですよね。人間にとって大切なものを召し上がっていただくことで、神様に喜んでいただこうとしたんですね。
佐藤 うん。だから、ご家庭でもそんな気持ちを大事にしてほしいんだ。よく神棚や御神札の前に何をお供えすればいいのかという質問をいただくけど、お米やお酒、お塩、お水を基本として、難しく考えずに、「これは神様が喜んでくださるのでは」というものをぜひお供えしてもらいたいな。
神代 私たちが旬の食材や、めったに食べられないお菓子などを前にワクワクしちゃうのと同じなんですね。
佐藤 「おもてなし」という言葉がマスメディアを賑わせたけど、神饌は日本人の育んだ心の表れでもあると思うんだ。まごころを込めて、神様をおもてなししてほしいな。 |
|