新米巫女の神代(かみしろ)巫女にとって、神社の世界はまだまだわからないことだらけ。神職(しんしょく)の佐藤さんの手助けで日々勉強中です!
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佐藤 神代さん、お豆の袋詰めははかどってる? 神代 はい、順調です!
佐藤 もうすぐ節分、この福豆がないと始まらないからね。
神代 はい! このお豆、毎年たくさんの方が授与所で受けられますもんね。「富久福豆(ふくふくまめ)」っていう名前も、可愛らしいですよね。
佐藤 富岡八幡宮では1月の末から授与所でお分けしているけど、2月3日の豆撒き当日にも、撒かれた豆を集めようと、毎年大勢の方が来られるね。
神代 そういえば佐藤さん、どうして節分にはお豆を撒くんですか?
佐藤 神代さん、節分がどういう日かはわかる?
神代 えーっと、立春の前の日、くらいは……。
佐藤 そうだね。立春から春が始まるわけだけど、冬と春という季節を分ける日だから、節分と呼ばれるんだ。
神代 とすると、春と夏を分ける日も節分というんですか?
佐藤 そのとおり。季節が始まる日は他に、立夏・立秋・立冬とあるけれど、その前日はすべて節分なんだよ。
神代 じゃあ、どうして春の節分だけ特別なんですか?
佐藤 それはね、かつて立春は現代の元日と同様の意味を持っていたからなんだ。立春をはじめとする暦の考え方を二十四節気(にじゅうしせっき)と呼ぶんだけど、この二十四節気は季節を忠実に表す暦として、とても大切に考えられていたんだよ。
神代 二十四節気では、春の始まりが1年の始まりなんですね。だから春の節分が大事なんだ。
佐藤 うん。そして新しい1年が始まる前に、今まで積み重なった厄、さらにこれから来るだろう厄を追い払おうとして、豆を撒くんだ。
神代 えっ!? それってまるで、大晦日の大祓じゃないですか!
佐藤 そうなんだよ。立春が元日に通じるっていう意味がわかるでしょう?
神代 それじゃ、どうしてお豆なんですか?
佐藤 栄養満点の豆には邪気を追い払うパワーが満ち溢れている、というわけさ。それに豆は収穫もしやすく、昔は他の穀物に比べて手に入りやすかったんだね。
神代 鬼は災いの象徴で、それに勝つのがお豆のパワーなんですねぇ。
佐藤 現代では節分は年明けの行事だけど、こうした由来を踏まえると、しっかり豆撒きしておかないとって思うよね。
神代 本当ですね。よーし、私もちゃんと撒くぞー! 鬼はーそと、福はーうち!
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