新米巫女の神代(かみしろ)巫女にとって、神社の世界はまだまだわからないことだらけ。神職(しんしょく)の佐藤さんの手助けで日々勉強中です!
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神代 佐藤さん、おみくじの吉凶(きっきょう)の順番を確認したいんですけれど。
佐藤 吉凶の順番?
神代 はい。大吉の次が吉、それから中吉、小吉、半吉、末吉、小凶、凶。これでいいんですよね?
佐藤 正解。ただし、富岡八幡宮の場合は、ね。他の社寺では順番が違うこともあるよ。
神代 それはどうしてですか?
佐藤 物事の判断を神様にお伺いする「占い」は古代からあったんだけど、吉凶の書かれた今のような「おみくじ」は江戸時代に体裁が整えられ、広く流行したんだ。特に流行ったのは仏教系の、漢詩の書かれたおみくじだよ。
神代 おみくじって、昔から人気があったんですねぇ。
佐藤 そうだね。やがて明治になると日本独自の精神性が見直され、おみくじも和歌を軸とした神道系のものが様々作られるようになったんだ。そして現代は、社寺ともにバリエーションがとても豊富。吉凶の順番が色々なのは、おみくじがこんな風に時代とともに大きく変化していったことが理由と考えられるよ。
神代 おみくじにそんな歴史があるなんて、知りませんでした! そういえば最近は、小さな縁起物が付いたおみくじをよく見かけます。
佐藤 富岡八幡宮では、「仕事みくじ」と「弁天恋みくじ」がそうだね。
神代 つまり現代は、お言葉だけでなく何かの形を身に着けたいと、皆さん望まれているんですね。
佐藤 そうだね。とはいえ、昔ながらの「八幡みくじ」は、やっぱり人気があるよね。
神代 はい! 和歌も記載されていて、すごく味わい深いです。
佐藤 ただ神代さん、覚えておいて欲しいのは、おみくじは元来「ご神意を問う」もの。現代は自分で手軽に引けるから忘れてしまいがちだけど、神様に自分の進むべき道を示していただくんだ。謙虚な気持ちは持たないとね。
神代 良く考えれば、とても有り難いことですよね。
佐藤 だから吉凶の結果にも、一喜一憂しないで欲しいんだ。中身を理解しやすいように吉凶が示されてはいるけれど、大事なのはそこじゃない。おみくじの本文に書かれているひとつひとつの言葉を、自分自身を見つめ直す材料にしてもたいたいんだ。
神代 もし凶だとしても、おみくじの中に困難を乗り越える手立てが見つかれば、むしろラッキーですよね!
佐藤 おみくじの言葉は神様からのプレゼント。ぜひ、大切にして欲しいな。
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