現在、世界の中で1番注目されている中東地域。近年起こったイラク戦争とその後のテロ、日本からの自衛隊派遣等伝わってくるニュースでイスラム教の用語がしばしば使われます。このイスラム教(回教、フィフィ教)は彼等の最高神アラーを信仰し経典はコーラン、7世紀の始めマホメットが開いた宗教で、今日世界総人口の2割近くが信徒という巨大宗教です。

 またイスラム教は大きく分けて2つの宗派に別れ、それぞれスンニ派(多数派)、シーア派(小数派)と呼ばれ、この両派が時には中東の政治情勢を複雑化する要因ともなっています。この両派の最大の相違点は、イスラム教社会の指導者が誰であるべきかをめぐる意見の違いです。シーア派は預言者マホメットの子孫であるべきだとし、スンニ派は知的宗教者やイスラム法学者達の合意によって選ばれるべきだとしています。

 このほかにも小数派のシーア派は弾圧された歴史がある為、抑圧状況では信仰を隠すことが認められています。これはイスラム教の教えである信仰告白の義務に反すると他派から非難される場合もあるようです。教義に対し厳格主義的傾向がスンニ派であり、シーア派は比較的融通が利くようですが反面神秘主義的傾向があるようです。

 しかしながら、両派ともその教えの本質は争いをせずに如何に神の教えに従い救いを求めるかに在ります。テロ行為や宗教の名の下に破壊行為を行っているのは極く限られた者たちであり、大多数のイスラム教徒は平和を望み生活している事を、忘れるべきでは無いでしょう。
 
スンニ派とシーア派
 イスラム教徒の約9割がスンニ派と言われていますが、イランとイラクではシーア派が国内の6割を占めています。