境内末社 
 住吉社 
 境内東側にある合末社の一つ住吉社は、八幡様との大変縁りの深い神様をお祀りする神社です。御祭神は表筒男命・中筒男命・底筒男命のいわゆる「住吉三神」と呼ばれる三柱の神様で、伊弉諾尊が禊をされた時に生まれたとされます。大阪府の住吉大社をはじめ、全国でお祀りされています。

 八幡様と親しまれる応神天皇様がまだお生まれになる前のことです。母君の神功皇后様は新羅(現在の朝鮮半島中部)を平らげようと軍を整え、九州からご出兵の折に住吉の神が現れて、「和魂は御身を守り荒魂は御船を導き奉らん」との託宣があり、その託宣の通りに事を終えられました。さらに日本へご帰還の後には「摂津の国の住吉の地にあって行き交う船を守ろう」というご神託があって、その地にお祀りされることとなりました。

 このことから住吉の神は海上安全・航海安全の神とされ、奈良時代の遣唐使は出発にあたって住吉社を参拝したそうです。


 住吉様はまた「すみのえ様」とも呼ばれ、古くは『伊勢物語』にも登場し主人公に歌を返すなどされたことから、和歌の神としても篤く信仰されました。

 深川の地は漁業が盛んで、また江戸の水上交通の要衝であったことを考えると、日々の安全を願う心から住吉様が信仰されたのもうなづけます。また松尾芭蕉をはじめ俳諧師との関わりが深い土地にお祀りされているのも、何かの縁かも知れません。

 ご例祭は夏越の大祓式と同じ6月30日です。

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