◎大彦命◎ |
松尾芭蕉、伊賀忍者のふるさとで知られる三重県上野市に伊賀國一ノ宮として鎮座するのが敢國神社です。 御祭神は大彦命、少彦名命、金山比当スの三神で、主祭神である大彦命は第八代孝元天皇の長子にあたり、第十代崇神天皇の命を受けて北陸平定を果たした後、伊賀国の開拓に励まれました。その後、子孫は伊賀国中に広がり、伊賀国阿拝郡を中心に住居したため阿拝氏を名乗るようになって、後に敢、阿閉、阿部、安部と呼ばれました。したがって大彦命は全国のあべ氏の総氏神であるとともに伊賀人の祖神でもあります。 北陸地方への遠征によるご活躍にあやかって、現在では交通安全、健康長寿等の御神徳で知られています。 |
◎創祀◎ |
敢國神社の創建は社伝によれば658年とされ、当時は大彦命と少彦名命の二柱のみがお祀りされていました。大彦命は伊賀人の祖神であり、少彦名命は伊賀地方に多く居住していた秦族が信仰していた神様でした。 当初、少彦名命は現在の南宮山頂上付近に祀られていましたが、敢國神社創建にともない現在地に合祀されました。その後、跡地に新しい神社を創建することとなり、岐阜県南宮大社の金山比当スを勧請することになりました。その頃よりこの山が南宮山と呼ばれるようになります。しかしある日のこと、金山比当スを祀る社殿が激しく揺れ社前のご神木の虫食いの痕が「与阿部久爾神同殿」(敢國神社と共に祀れの意)の八文字となって現れたのを受けて敢國神社に合祀されることとなります。こうして大彦命、少彦名命、金山比当スの三神をもって敢國津大神とされ、古くより厚い信仰を受けています。 |