中央大橋の架橋地区はウォーターフロント開発の拠点地域であって、両岸の高層ビル群の中で、マッチした造りなっています。夕刻から夜10時まではライトアップされており、夜景も楽しめます。 隅田川は、フランス・セーヌ川と平成元年に友好河川を提携しており、その縁もありフランスのデザイン会社によって設計されました。主塔及び欄干部分が特徴的で、日本の「兜」を意識した意匠をこらしています。この橋の地域は、その昔「鎧島」(石川島)という島があり、鎧と対をなす兜がイメージされたそうです。 また、この橋の中央橋脚部には、当時パリ市長であったジャック・シラクから東京都との友好の印として贈られた、彫刻家オシップ・ザッキン作の「メッセンジャー」と名付けられた彫像が鎮座しています。 この彫像は、昭和12年(1937)パリ万国博覧会に出品された作品で、オシップ・ザッキンの作品の中でも大作の一つに数えられています。当時の万国博覧会の案内書によるとこの作品は「希少木材を求めて海外に船を派遣するフランスの守護神を表したもの」とされています。残念ながら彫像は川側を向いており、橋上からは後ろ姿しか見ることができませんが、隅田川を往来する船の安全を見守っています。東京都からも彫像のお礼として「屋形船」をパリ市に寄贈しています。 石川島(現佃二丁目) 江戸時代、旗本石川重次が屋敷地を拝領し代々居住したことより「石川島」と呼ばれるようになる。寛政元年(1789)時代劇でも有名な長谷川平蔵の建言により人足寄場(現在の刑務所)を設置。幕末の嘉永六年(1853)水戸藩により「石川島造船所」(現IHI 石川島播磨重工)を設立、その跡地が現在の高層ビル群となっています。 |