豆まき式に参加して

観世流能楽師  桑田貴志

 

 豆まき式に初めて参加させて頂きました。
まず木遣りを先頭に境内を練り歩き、本殿で祝詞を頂いて身を清めた後、壇上に上がり豆をまきます。
 大勢の参拝客が、福豆を頂こうと袋を広げて待ち構えています。なるべく多くの方の袋に入るように丁寧にまいているうちに、あっという間に豆のマスは空っぽになりました。
 大好きな富岡八幡宮の豆まきに参加できて光栄です。
 八幡様へ始めて参拝したのは、長男のお宮参りの時でした。その時、八幡様とその門前町の雰囲気に一目ぼれしました。「ここに住みたい」と強く願ううちに、3年前に近くに家を建ててしまいました。
地鎮祭を始め、次男のお宮参りや長男の七五三など節目では常に八幡様にお世話になっています。
 2年前より夏の例大祭で能の奉納をさせて頂いております。去年は4歳の長男と共に勤めました。
能はもともと、神社の祭礼などで神様に奉納することから始まりました。敬愛する八幡様で、原始の姿の能を演じさせて頂けるのは、大きな喜びです。
八幡様の境内には、かつて立派な能舞台があったそうです。深川は能が盛んな場所だったようです。
 私は自宅に「深川能舞台」という小さな能舞台を設えております。この舞台を発信源として、今後とも深川で能普及の活動を続けたいと思っております。