新米巫女の神代(かみしろ)巫女にとって、神社の世界はまだまだわからないことだらけ。神職(しんしょく)の佐藤さんの手助けで日々勉強中です!
もうすぐ夏祭り。神代さん、お祭りって何だかわかってます?
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神代 あれ?うーんと…。
佐藤 どうしたの神代さん?それは…行事予定表?
神代 はい。もうすぐ夏のお祭りですよね。それでお祭りの日程を確認したかったんですけど…この、「例祭(れいさい)期間」というのがそうですよね。
佐藤 そうだね。
神代 お祭りのこと、例祭っていうんですか?初めて知りました。
佐藤 そうだよね、例祭なんて馴染みのない言葉だよね。「毎年行われる一年に一度のお祭り」という意味だよ。例祭の「例」は、恒例の「例」と同じだね。
神代 一年に一回だけなんですか?
佐藤 そう、その神社や神様に一番ゆかりのある日…例えば神社が創られた日とか、神様が何かを成し遂げられた日とか…そういう日が選ばれて、一年に一度特別なお祭りをするんだ。
神代 なんだか誕生日みたいですね。
佐藤 あはは、なるほどね。それで、この例祭日は特に神様のお力が強まるとされていて、みんながお参りをしに境内に集まるんだ。
神代 わかった、それで露店が出て賑わうんですね。
佐藤 うん。神代さんもお祭りの露店で遊んだことがある?
神代 はい、もちろん!小さい頃は親と出かけて、何か買ってもらえるのが嬉しかったなぁ。最近は友達と出かけることが多いですけど。
佐藤 お祭りといったら、大抵の人はそういう露店をイメージするよね。それから、御神輿。
神代 そうですね!御神輿見ると、お祭りだぁってワクワクしちゃいます!
佐藤 自分で担がなくて、見てるだけでもね。それに御神輿だけじゃなく、山車(だし)や山鉾(やまぼこ)なんかもお祭りの花形だよね。
神代 テレビでもよく観ます、ねぷたとかだんじりとか。
佐藤 お祭りと聞くとみんなそういう光景を思い浮かべるけど、でもね、神代さん。お祭りの核は、さっき話した特別な一日に行われる例祭という祭典なんだよ。
神代 祭典?
佐藤 そう。例祭日に御社殿(ごしゃでん)で、神職が神事(しんじ)を執り行い、氏子(うじこ)さんや崇敬者の代表の方と一緒に祈りを捧げる。そういう祭典を行っているんだよ。
神代 全然知りませんでした…。どんなことをするんですか?
佐藤 普段から神様にはお供え物を捧げるけど、その内容が豪華になったり特別なものになったりするよ。そして音楽を奏でたり舞を舞ったり、神様に目一杯楽しんでいただくんだ。
神代 俗かもしれませんが、華やかなパーティーみたいですね。
佐藤 いや、それは当たらずとも遠からずだよ。日本人は昔から、神様を自分たち人間と同じような存在だと考えていたんだ。だから自分たちが考えうる一番の贅沢…おいしい食べ物、美しい音楽、そして優雅な舞。
神代 神様がそうしたことを喜ばれると考えたんですね。
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佐藤 そう、出来る限りのことをして満足していただこうと思ったんだね。そうしてこれまでの一年間のお力添えに感謝して、またこれからの一年間を見守っていただくようお願いするんだ。
神代 私も精一杯ご奉仕しなきゃ…。佐藤さん、祭典には一般の方も参列できるんですか?
佐藤 御社殿内での参列は出来ないんだけど、もちろんお参りは出来るよ。特別な日だからね。是非皆さんにはお参りをしていただいて、神様とのご縁を深めて欲しいな。
神代 お参りたくさん来ていただけたら、神様もきっと嬉しいですよね! |