年頭のご挨拶

富岡八幡宮  富岡長子

 

 皆様、新年明けましておめでとうございます。今年もまた皆様と共に新しい年を迎えられましたこと、心より感謝申し上げます。

 さて震災の影響で一年ずれていた本祭りを元の時期に戻すべく、今年は本祭りを執り行う運びとなりました。近年のお祭りを振り返りますと、一昨年には天皇皇后両陛下をお迎えして歴史に残る本祭りを斎行し、また昨年には46基の子供神輿と仮装神輿6基が勢揃いする子供神輿連合渡御が、過去最大の規模で催されました。

 これらのお祭りでは大人はもちろんのこと、子供たちにも深川っ子の心意気を強く感じ取ることができ、とても感銘を覚えました。
 子供は地域、国の宝です。この深川の地には年寄りを敬い、子供を街ぐるみで大切に育てようとする、本来の日本人が持ち続けてきた道徳秩序が今もなお根強く息づいている素晴らしい地域です。昨年の夏に神輿を担いだ子供たちは、先人が大切に守り伝えてきた祭りの楽しさ、伝統文化の素晴らしさを体感できたことと思います。

 ところで日本は、2020年のオリンピック招致にも成功し、子供たちに大きな夢と希望を与えていますが、さらには全28競技中、15の競技が江東区内で行われ、またこのオリンピックの年は八幡さまの本祭りの年にも当たっており二重の喜びを感じます。
 ワッショイの掛け声のもと「和」を尊び「絆」を深める深川八幡祭りは、オリンピックの理念に通じるものがございます。この深川を起点に「和」の心が世界中に羽ばたくことを願って、更に魅力あふれる深川を目指していかなければなりません。今年はその第一歩を踏み出す年といえましょう。

 本祭りを斎行できるということは、国や地域が平和で安定している証でもあります。子供たちの未来のためにも皆様と共に手を携え、歩んで行きたいと思います。本年も何卒皆様のご理解、ご協力をお願い申し上げ年頭のご挨拶といたします。