< 神社紹介 >

   伊 勢 神 宮    三重県伊勢市

・・・御祖の神・・・

 伊勢神宮とは正式には単に「神宮」と申し上げ、天照大御神をお祀りする皇大神宮(内宮)と天照大御神の食事を司る豊受大御神をお祀りする豊受大神宮(外宮)の両正宮を中心とする伊勢市とその周辺にお祀りされる百二十五社の総称です。

 皆さんの家庭や会社でお祀りされている神棚にもまずは天照大御神をお祀りするのが習わしとなっています。それは天照大御神が皇室の祖先神であると共に国民全体の大御祖であり、また天を照らす太陽を象徴して、全ての自然に命の源を与える最も尊い神様とされるからです。

・・・ 神宮の創祀・・・

 天照大御神ご神体は三種の神器の一つにあたる八咫鏡です。この御神鏡は天照大御神が皇孫邇邇芸命に親しく授けられたもので、初め皇居にて祀られていましたが、第10代崇神天皇の御世に宮中を離れ、各地を巡られたのち第11代垂仁天皇26年(西暦紀元前4年)伊勢国に祀られました。崇神・垂仁天皇の御世は日本国家の成立上、飛躍的発展を迎えた時期であり天照大御神が皇室のみならず国家全体の祖先神として進展した時期となります。

 

・・・ 神宮のお祭り・・・

 神宮のお祭りは天皇陛下のお祭りです。したがって大宮司以下の神職は陛下の思召により年間のお祭りを御奉仕しています。さらに大宮司の上に祭主を奉戴し、天皇の大御手代(御代理)として天皇に代わって御奉仕されます。現在は昭和天皇の第四皇女、池田厚子様が勤められています。神宮の祭祀は、毎朝夕の2回、天照大御神等神々の食事をお供えするために豊受大神宮にて御奉仕される日毎朝夕大御饌祭をはじめ数多くありますが、最も大切な祭典は10月に行われる神嘗祭です。これはその年の新穀を大御神にお召し上がり戴くお祭りで、皇大神宮祭典の17日には、天皇陛下は神宮を遥拝され勅使を差遣されます。

 天照大御神は皇孫の邇邇芸命をこの地上に遣わされる際、稲穂を委ねて日本を稲の稔り豊かな国にするように託されました。従ってその意思を継がれる天皇陛下は稲作を最も大切な役目と考えられ、また神宮をはじめ各神社のお祭りも新穀に対する祈りと感謝が中心となっています。

 

・・・式年遷宮・・・

 20年に1度、最も鄭重な神嘗祭が行われます。それが式年遷宮です。それは御正殿をはじめ諸殿舎、御装束・神宝に至るまで一切を新たに造り替え、大御神にお遷り戴く祭典です。全てを一新して神嘗祭を御奉仕するわけです。

 次回の遷宮は平成25年10月で、持統天皇4年(690)の第1回から数えて第62回目に当たります。遷宮の諸祭行事は御用材を切り出す御杣山の山口に坐す神を祭る山口祭から始まり、大御神が新しい御神殿にお遷りになる遷御に至るまで8年を要します。さらに百二十五社全てを終えるにはそれから更に約10年かかるという大規模なものです。今回の山口祭はすでに平成17年5月に行われ、その他諸祭がそれに続いています。我が国最大の祭典であるこの御遷宮を国民こぞって奉賛したいものです。