超五十連勝力士碑 |
御社殿の東、横綱力士碑に向かって左側に、この碑は建っています。赤御影石製で高さは2メートル(台座を含めると約3メートル)、11面体というユニークな形状。正面に「超五十連勝力士碑」とあるように、相撲史に燦然と輝く50連勝以上の大記録を打ち立てた5人の横綱 ― 第4代谷風、第15代梅ヶ谷、第22代太刀山、第35代双葉山、第58代千代の富士 ― の名が刻まれています。 「1年を20日で暮らすいい男‥」こんな川柳がありますが、実際に近代までの相撲は1場所10日間・年2回というものでした。その中で江戸中期の谷風は63連勝、明治初期の梅ヶ谷は58連勝を果たしました。続く太刀山は大正時代に活躍した力士です。連勝はなんと40歳の時の記録です。 昭和の大横綱・双葉山の69連勝は現在最長の記録です。のちに時津風親方として相撲界の近代化に努め、力士では初の紫綬褒章を受賞しました。最後に刻まれている千代の富士(現・九重親方)が、その剽悍さから「ウルフ」のあだ名で人気を博したのは記憶に新しいところです。 また、惜しくも刻名を逃しましたが、双葉山と千代の富士の間に、優勝32回の第48代横綱・大鵬の45連勝があります。 長い相撲の歴史に、たった5人。50連勝とは「心技体」全ての充実によって達成される、力士と相撲フアンの夢といえます。石碑の空欄は、あと5人分。今後、大記録を立てる力士の登場が待たれます。 |