幕末に開国を迎えるまで、中国は日本が交流を持つ数少ない外国の一つで、我が国に与えた影響は計り知れないものがありました。そこで今回は日本文化に影響を与えたもの、また、近年発見された景勝を紹介します。
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8世紀前後の中国ではしばしば、国家や民の安泰を祈願して巨大な仏像が作られました。その一つが四川省の楽山大仏(らくさんだいぶつ)です。楽山大仏が奈良の大仏と大きく違うのは、屋外にあること。というのも、この大仏は険しい山間の、川の合流点の崖を彫ったものだからです。
713年に造営が始まりましたが、当時この流域は岩塩輸送の大動脈で、その輸送安全と更なる発展を祈って、高さ71mもの巨大な弥勒菩薩像が彫られました。この大仏や、北魏時代の巨大石仏に想を得て、奈良の大仏様は誕生しました。
楽山大仏は近隣の仏教聖地・蛾眉山(がびさん)とあわせて世界遺産に登録されています。蛾眉山は聖地として開発を免れたため、絶滅危惧種を含めた貴重な植物層を有しています。
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中世になると朱印船による日宋貿易が盛んに行われました。これによって禅の思想や水墨画がもたらされ、武家文化が発展していきます。この水墨山水画の題材として有名なのが、黄山(こうざん)です。
古代から数々の伝説に彩られてきた、仙人の住む岩山。中国の文人達はこの山に憧れ、水墨画や漢詩に取り上げてきました。太古、この一帯は巨大な岩盤だったのですが、氷河や風雨による浸食が一億年にわたって繰り返され、今日の絶景が出来上がりました。その雄大な自然美は「天下の名勝、黄山に集まる」と賞賛されるほどです。
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中国は日本の25倍もの面積を持つだけに、たくさんの景勝地があります。その中でも、四川省北部の九寨溝(きゅうさいこう)は40年ほど前に偶然発見されたものです。
標高2000m越える山地に棚田状に続く、宝石を思わせる真っ青な湖・・・この不思議な景観は、付近の地盤に大量に含まれる石灰岩の成分、炭酸カルシウムによります。この成分が水に溶けて再結晶した結果、棚田のような地形が出来ました。また、水中の汚れを吸着することで驚くほどの透明度となり、湖底に沈殿した粒子が日光を反射して、日中は青、夕暮れにはオレンジに輝くそうです。
世界遺産の旅は、シルクロードを中心に少しずつ西へと進んでいきます。 |
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