新米巫女の神代(かみしろ)巫女にとって、神社の世界はまだまだわからないことだらけ。神職(しんしょく)の佐藤さんの手助けで日々勉強中です!
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佐藤 神代さん、お正月の準備は順調?
神代 はい! 私はお正月、授与所(じゅよしょ)でご奉仕するので、今、その準備を進めています。そうだ、佐藤さんに聞きたいことがあったんです!
佐藤 なんだい?
神代 御札のことを自分なりに勉強したんですが、いくつかわからないことがあって。ひとつ目は、神宮大麻(じんぐうたいま)って何ですか?
佐藤 神宮大麻は伊勢の神宮から頒布(はんぷ)される御神札(ごしんさつ)……神様のお名前を記した御札のことだよ。 神代 伊勢神宮ということは、天照大御神(あまてらすおおみかみ)様ですね?
佐藤 そう。天照大御神様は太陽の神様――全ての命を照らし育む、尊い神様だね。だからそのお力の象徴である神宮大麻を家庭や会社に祀るということは、とても意義深いことなんだ。
神代 富岡八幡宮にも神宮大麻と同じような形の御神札がもう一体ありますよね?
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佐藤 それは富岡八幡宮の御神札、八幡様の御札だよ。どの神社にもその神社ごとの御神札というのがあってね、それをお祀りすれば家庭や会社にいながら神社の神様にお参り出来るんだ。
神代 なかなかお参りに来られない方でも、神社がすぐ側にあるようで安心ですね。
佐藤 そうだね。神宮大麻と八幡様の御神札、それに火と竈(かまど)の神様の御札と御幣をあわせて、「御神札ひと揃え」として年末年始に受けていただくんだよ。
神代 昔の人にとっての竈って、現代人にとっては電気やガスですよね。となると、竈神様もとっても大切ですね……。
佐藤 電気もガスも日の光も、僕らは当たり前にその恵みをいただいているけれど、その幸せを忘れちゃいけない。御神札はそうしたことを教えてくださるとともに、僕らの生活を豊かにしてくださっているんだ。そしてその御神札を一年に一度、新しいものに取り替えるのが、年末年始だよ。
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神代 どうしてお正月に合わせて新しくするんでしょう?
佐藤 お正月から少しすれば、立春。芽吹きの季節がやってくるでしょ? 生命が新しく生れ変わるこの時期に、神様にもお力を一新していただくんだよ。それに神様は清らかなものを好まれるからね、新しく清々しい御神札の方が嬉しいと思わない?
神代 確かに、人間だって古びたものより新しいものの方がいいですもんね。
佐藤 それで御神札のお祀(まつ)りの仕方だけど……この図のように神棚に並べて祀るんだ。事情により神棚が設けられなければ、清浄な棚の上でも構わないよ。
神代 他に注意点はありますか?
佐藤 可能な範囲で結構なので、お供え物を上げてほしいね。米・酒・塩・水といったものが一般的だよ。そして出来れば毎日、難しければ半月ごとでもいいから取り替えてもらいたい。
神代 まずは御神札をお祀りして、心豊かな一年を過ごしていただきたいですね! |